シーズンMVP
NBAにおいてシーズンMVPというのは個人の選手として最高の勲章である。
レギュラーシーズンで最も活躍した選手に授与される賞であり、レギュラーシーズン終了後にジャーナリストやファン投票により選出される。
つまりNBAの1年間で最も支配的なプレイヤーと認めれる賞である。
現役で過去選出されている選手は以下である。
l レブロン・ジェームズ(08-09.09-10.11-12.12-13)
l ケビン・デュラント(13-14)
l ラッセル・ウェストブルック(16-17)
l ステフィン・カリー(14-15.15-16)
l デリック・ローズ(10-11)
l ジェームズ・ハーデン(17-18)
l ヤニス・アデトクンボ(18-19.19-20)
l ニコラ・ヨキッチ(20-21.21-22)
昨年はニコラ・ヨキッチが2年連続受賞となった。
ヨキッチは7年目の昨季、74試合に出場した。
平均33.5分のプレイで平均27.1得点(リーグ6位)、12.8リバウンド(同2位)、7.9アシスト(同8位)、1.47スティール(同12位)、0.85ブロック(同33位)を記録した。
合計リバウンドはリーグ最多の1019本という記録でフィールドゴール成功率58.3%は自己最多の数字となった。
ヨキッチが昨季MVPを決定づけたのがNBA史上初の1シーズン2000得点&1000リバウンド&500アシスト超という超人の記録であった。
このヨキッチの記録を見てわかる通り、NBAという世界のトッププレイヤーが集まるリーグでMVPを獲得するには規格外の記録やプレイをしなければ、獲得できないほどNBAでのMVPのレベルは上がっている。
現時点のMVP予想
2022-2023シーズンも後半戦が始まり、ある程度MVP予想が絞られてきている。
いろんなサイトやメディアがMVP予想をする中で最も有力視されているのがニコラ・ヨキッチ、ジョエル・エンビード、ヤニス・アデトクンボの3名である。
この3人がMVP予想されている理由を記載していこうと思う。
ニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)
まずは昨年度のMVPニコラ・ヨキッチです。今、メディアで最も有力視されている選手である。
ヨキッチは3/16(木)時点で平均33.8分の出場時間で平均24.7得点(リーグ18位)、11.9リバウンド(同3位)、10.0アシスト(同4位)を記録。
突出すべき点は得点、リバウンド、アシストの3項目で2桁のトリプルダブルをシーズンで達成する勢いだ。
過去シーズントリプルダブルを達成した選手はオスカー・ロバートソン、ラッセル・ウェストブルックの2名だけです。また、センターで達成となると史上初の快挙である。
今期のヨキッチは自ら得点を狙いながら、ダブルチームをするとアシストとアンストッパブルな選手である。また、効率の良さも特徴の一つでこのスタッツをフィールドゴール63%という確率でしている。
所属しているデンバー・ナゲッツも46勝23敗でウエスタン・カンファレンス1位とチーム、個人ともに最高のシーズンを過ごしている。
ヨキッチのフィットする選手を今期獲得できたのもヨキッチのアシストが伸びた要因だろう。自らも得点でき、体の強さ、跳躍力を生かしヨキッチからのパスを得点につなげるアーロン・ゴードン、3年前はプレイオフで50点ゲームをするなどオフェンシブなPGジャマール・マレー、高身長で3Pやドライブで得点を重ねるマイケル・ポーター・ジュニアなど役者がそろっている。
残りシーズンも現在の活躍を維持した場合、MVPを獲得する可能性は高そうである。
ジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)
次にシクサーズのエースセンター、ジョエル・エンビードである。
エンビードはここ2年MVPレースの2位を受賞している選手である。2連連続同じポジションのヨキッチにMVPを取られ、悔しい思いをしている。
今年こそMVP獲得なるかというエンビードは3/16(木)時点で平均35.1分の出場時間で平均33.5得点(リーグ1位)、10.2リバウンド(同8位)、4.1アシスト(同48位)、1.7ブロック(同6位)を記録。
特徴としては圧倒的な得点力、支配力である。昨年アメリカ人以外で初の得点王に輝き、歴史に名を刻んだエンビード。ただ今年は去年の30.6得点を上回るペースである。昨年度、トレードにてジェームズ・ハーデンを獲得しており、ハーデン&エンビードのピック&ロールはリーグ屈指の得点力で止められない武器となっている。
そのピック&ロールで多用しているのがミドルシュートである。昨年よりミドルシュートを積極的に打っており、その確率も50%以上と相手の脅威になっている。
エンビードはDFもNBAトップクラスであり、ブロックがリーグ6位とOF、DFともにゴール下を支配している。
また、今年度のエンビードで印象に残るのがクラッチシュートである。
ラスト数秒でのクラッチシュートで逆転勝利という場面を何度も目撃している。
チームとしても46勝22敗でイースタン・カンファレンス3位につけており、ここ6試合は負けなしである。このままチーム成績を伸ばし、エンビードが怪我無く、シーズンを過ごせれば、MVP獲得のチャンスは十分にあるだろう。
ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)
最後は18-19.19-20にMVPを獲得しているヤニスである。
ヤニスもここ数年リーグを圧倒的な力で支配している選手である。
ヤニスは3/16(木)時点で平均32.6分の出場時間で平均31.5得点(リーグ4位)、11.9リバウンド(同2位)、5.5アシスト(同29位)を記録。
ヤニスの特徴は攻守にわたる支配力である。圧倒的なフィジカルと手足の長さ、スピードがあり、ドライブでゴール下まで突破されると止めるのは不可能な選手です。
ディフェンスでも211㎝という長身を生かし、ガードからセンターまで守ることができ、同チームのブルック・ロペスと2人がコートに立った時のインサイドDFは非常に強力である。
チームとしても50勝19敗とイースタン・カンファレンス1位、また勝率はリーグ1位と
首位を走るチームのエースとして勝利を積み重ねている。
チームを勝たせながらこのスタッツを維持できた場合、MVPになる可能性が高い。
インサイド時代の幕開け
MVP候補の3選手は主にインサイドを主戦場としている。
NBAは3Pを主流としており、スリーポイントが入る選手が重宝される中でインサイドを支配する3選手がMVP候補に選出されるということは時代が変わりつつある予兆かもしれない。
MVPは誰に渡るのか。この3選手なのか。また別の選手なのか。
今後のNBAを楽しみに見ていきたい。
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