●なんとなく知ってます!
・W杯があることは知っていますがよく分かりません! ・マイチームのロスターが決まらないのでW杯に集中できません!
・日本代表はどうなるといいんですか? ・今さら聞くのはまずいですか?
と。思っている皆さん!大変長らくお待たせしました!今からでも遅くない!井口さんに聞くのは恥ずかしくない.。W杯直前講座のお時間です!
@FIBA
そもそもW杯とは?
●正式名称:「FIBAバスケットボールワールドカップ2023 沖縄グループステージ」
4年に一度開催されるW杯ですが、3つの国をまたいでの開催は史上初となります。日本でのW杯開催は2006年以来となり、当時はまだW杯という名称ではなくFIBA World Championship(世界バスケ)と呼ばれていました。第15回大会だった世界バスケは、予選ラウンドを仙台市体育館、広島グリーンアリーナ、浜松アリーナ、北海きたーえるで行い、ファイナルラウンドはさいたまスーパーアリーナ。優勝はスペイン(初優勝)。MVPはパウ・ガソルでした。といって時代を感じるアナタはベテラン勢です。
●いつ?
・グループフェーズ
1st ROUND:2023年8月25日~30日
2nd ROUND/順位決定戦:2023年8月31日~9月3日 ・ファイナルフェーズ:9月5日~10日
この大会期間に加えて、予選や合宿、強化試合のスパンを考えると、NBA選手はもちろん国内選手たちでも代表スケジュールにコミットする大変さがみてとれるかもしれません。サッカーW杯の凄さも感じますね。オリンピックが一番注目を浴びる舞台だった世界のバスケ。W杯が一番の栄光の歴史であるサッカー。歴史的背景が違う事もありますが、近年のFIBAはW杯を世界最高峰、一番注目を浴びる大会へ昇華させるために、取り組んでいるのを感じる方も多いと思います。
●どこで? ・グループフェーズ
1st ROUND:沖縄(日本)、マニラ(フィリピン)ジャカルタ(インドネシア) 2nd ROUND/順位決定戦:沖縄(日本)、マニラ(フィリピン)ジャカルタ(インドネシア) ・ファイナルフェーズ:マニラ(フィリピン)
簡単に沖縄アリーナ!日本開催!わーい!とばっかり言えない苦労があったと思います。さかのぼると2017年12月9日に、FIBAセントラルボードにて 「FIBA バスケットボールワールドカップ2023予選ラウンド」の沖縄市開催が正式に決定しています。沖縄アリーナが完成したのが2021年です。つまり沖縄アリーナが完成する4年以上前から、このW杯沖縄ラウンドの実現に向けて、誘致活動にご尽力されていた方達がいるということです。当時は沖縄アリーナの影も形もない時ですので、海のものとも山のものとも分からない扱いもあったかもしれません。バスケに携わる者としては、あらためてご尽力されたみなさまの功績に感謝したいです。
グループフェーズを突破したチームが進むのは、バスケの国フィリピン。ファイナルの会場は2012年に開業した、15000人収容のマニラ市内にあるSMモール・オブ・アジア・アリーナで行われます。ファイナルフェーズをご覧になれば、アジア特別枠でBリーグを盛り上げてくれているフィリピン籍選手たちが、どんなバスケカルチャーの国で育ってきたかを、感じられると思います。2015年に当時PBAでプレーしていた安藤誓哉選手のスカウティングで訪れた時は、別の会場での試合でアリーナ内には入れませんでした。過去には日本代表もこのアリーナでプレーしています。
●誰が?
・出場国は全部で32ヵ国。 ・4チーム×8グループ(A~Hグループ)
・日本はグループE → 上位2ヵ国が2nd Roundへ進みます。 ・グループE:ドイツ・フィンランド・オーストラリア・日本
・2nd Roundへ進出できなかった場合→17~32位決定戦へ進みます。
・アジアからの出場国は6ヵ国:フィリピン・中国・ヨルダン・日本・イラン・レバノン
●何を?
・2024年パリ五輪出場権も懸かっています。五輪出場枠は12ヵ国と狭き門です。
・今大会では下記の「7ヵ国」にパリ五輪出場枠が与えられます。
①アメリカ大陸上位2チーム
②ヨーロッパの上位2チーム
③アフリカ地域の最上位1チーム
④アジア地域の最上位1チーム(この枠をかけて戦う)
⑤オセアニア地域の最上位1チーム
W杯で決まらない残り「4枠」は、FIBAオリンピック世界最終予選で争われることになります。つまりパリ五輪出場権はW杯で勝ち残ったチームから、ほぼ決まるという事が分かると思います。W杯での勝利はもちろん日本バスケ界の大きな一歩ですが、その先にあるパリ五輪まで獲れるとすると、日本バスケ界には大きなジャンプになるでしょう!
(FIBA)
●なぜ
・万が一上記④が今回のW杯で達成できなかった場合は、下記のいずれかを達成することでFIBAオリンピック世界最終予選へ回ることができます。
①W杯アジア出場国で2位
②W杯上位16チームに入る(開催国およびパリ五輪出場を決めたチームを除き) ↓ 達成した場合
↓ ・FIBAオリンピック世界最終予選(日程2024年春~夏/開催地未定:アフリカ・アメリカ・アジア・ヨーロッパ)
①アフリカ・アメリカ・アジア・ヨーロッパの4会場×6チーム ②4会場→各会場の最上位4チームがパリ五輪出場 このようにW杯でパリ五輪出場権を獲得できなかった場合でも、最終予選(OQT)に回れるチャンスはありますが、相当タフに勝ち抜かねばならない、熾烈な予選にのぞむことになるのが理解いただけたでしょうか。そのため6月19日に行われた強化・活動方針発表記者会見でも「W杯でパリを決める」という言葉が何度もありました。
後編ではみんな気になる代表選考の行方。日本が対戦する相手についてみんなで予習しておきましょう!次回もお付き合い宜しくお願い致します!
(写真:筆者提供)
■過去コラム
バスケットボールコメンテーター
井口 基史(イグチ モトフミ)
1979年生まれ/鹿児島県出身
座右の銘
「一緒に日本のバスケを熱くしよう」
鹿児島南高-愛知学泉大-カリフォルニア州立大ベーカーズフィールド校-ベーカーズフィールドカレッジ出身。アメリカ留学後にFIBA国際代理人資格をアジア初の受験取得。国内プロリーグ発足後まもなく資格を返納しチームスタッフへ。富山-滋賀-岩手-大阪でスカウト/通訳/GM/スポンサー営業/球団社長を経験。現在はユース・プロ・日本代表までバスケットボール中継で熱量高めの解説を務める。
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