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プロ野球各球団のチーム状況(セ・リーグ編①)


交流戦が終わり、2023シーズンは早くも折り返し間近。

今季の交流戦は横浜DeNAベイスターズが優勝したものの、11勝7敗で上位4チームが並ぶなど、大混戦となった。

そして、これから夏の過密な試合日程を迎えることになるのだが、その前に現在の各チームの戦力を今一度分析してみよう。

ちなみに、個人的な現時点でのセ・リーグAクラス入り予想はベイスターズ、タイガース、カープの順では、と見ている。その理由も合わせて解説しよう。

今回はセ・リーグ上位3球団のチーム状況、浮上のポイントを探っていく。その他セ・リーグの球団および、パ・リーグの球団については別の記事で紹介する。


阪神タイガース

まずは交流戦終了時(6月18日時点)、首位のタイガース。


交流戦開幕直後の5月30日、一時貯金を18まで伸ばし、交流戦次第では首位独走も考えられる状況であった。


しかし、交流戦は7勝10敗とやや勢いに翳りが見えた。特に交流戦期間中の打率は.210と、12球団ワースト。失策も17と精細にかける場面も多く見られた。また、守護神候補筆頭の湯浅京己が復帰も、6月は5試合4.1イニングで7失点。結局、再度抹消されることになった。


一方で明るい材料も。24歳の才木浩人が完封を含む、3試合21イニングを投げ無失点と奮闘。リーグ戦で無双の投球を続けていた村上、大竹も安定した投球を見せた。野手では高卒2年目、20歳の前川右京が絶好調。6月はく驚異の打率.347を記録した。


リーグ戦が再開し、迎えた2位ベイスターズとの3連戦。


交流戦優勝の勢いに乗った、ベイスターズの前に3連敗を喫し、遂に首位陥落。6月終了時点では40勝28敗2分、再度首位に返り咲いているが、依然として僅差の競り合いが続いている。


では、タイガースが首位の座を守り抜くのに必要な要素は何か。


先発陣は村上、大竹、才木らが安定している。リリーフ陣も湯浅の離脱はあったものの、岩崎、岩貞、加治屋など盤石と見て良い。ただ、野手陣で挙げるならば、近本の復調は今後の鍵になるだろう。


例年、シーズン序盤は低調気味でも、尻上がりに調子を上げてくる近本だが、今季は開幕から絶好調。4月は.打率341、5月も.327とスタートダッシュに成功した。


ただ、6月は.189と急速に調子を落としてしまう。得点圏打率も.188とチャンスに強い近本らしからぬ数字だ。


高い出塁率と得点圏打率を誇る1番打者は他球団からすれば脅威そのもの。それゆえ、近本の好不調がチームに大きな影響を与えるのだろう。


あとは助っ人の活躍も必須だろう。


今季新加入のノイジー、ミエセスはここまで2人合わせても8本塁打。本塁打が全てではないが、昨シーズン20本塁打の佐藤輝明も25日に抹消されるなど不調なだけに、大山の後を打つ5番に怖さが欲しいところ。どちらかの助っ人を5番に固定できるれば間違いなく得点力は上がるはずだ。


「投手王国」と言っても過言ではない投手力があるだけに、リードオフマン近本の復調と両助っ人野手の活躍による得点力アップ。首位の座を守り抜く為には以上の2点は重要なポイントだ。

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横浜DeNAベイスターズ

お次は交流戦優勝、6月終了時点で2位につけるベイスターズ。


タイガースが交流戦でやや低調気味であったこともあり、一時は首位を奪取したベイスターズ。


筆者は、ベイスターズが総合戦力的には頭一つ抜けていると見ている。「総合的」としたのは、投打のバランスが一番良いと考えた為である。


野手陣を見ると、未だ打率3割半ばをキープする宮崎敏郎、4番に座る牧秀悟、佐野恵太らが中軸を張る。さらには10年目、関根大気が大ブレイク中。昨シーズンまでは守備固めや代走起用が多かったイメージだったが、なんと今季は打率3割を維持する健闘ぶり。


そして先発は今永昇太、東克樹の両左腕が安定していることに加え、サイ・ヤング賞右腕バウアーが加入。当初は精細を欠く投球が続いたものの、6月に入ってからは本来の実力を発揮。交流戦では3試合に登板し、防御率1.50で3勝を挙げた。まさに交流戦優勝の立役者とも言える活躍だった。


さらに、中4日登板など、バウアーは短いスパンでの登板も厭わない。その為、さらに調子を上げた状態で多く登板することが予想される。間違いなく他球団にとっては脅威だろう。


ここまでベイスターズは主力の長期離脱や不振もなく、順調に来ている。ただ唯一、不安な点を挙げるとすれば守護神・山﨑康晃だろうか。


ここまで17セーブを挙げているが、5月に打ち込まれたことが響き、防御率4.50と物足りない数字だ。6月は防御率.257と持ち直したが、シーズン後半戦はどうなるか。リリーフ陣も伊勢大夢、上茶谷大河、ウェンデルケン、入江大生らが安定しているだけに、山﨑が本来の安定感を取り戻せば首位奪還、逃げ切りも可能だろう。


打力はチーム打率トップと、セ・リーグでは頭ひとつ抜けている。さらに投手陣もバウアー加入により余裕さえ感じられる。現在2位と好位置につけながらも、最も伸びしろがあるチームではないだろうか。


広島東洋カープ

続いては現在リーグ3位のカープ。


交流戦は9勝9敗と貯金は作れず4位に後退したものの、リーグ戦再開後のチーム状況は良好。再び3位に浮上した。


6月に入り、シ―ズン序盤不調だった坂倉将吾や田中広輔が復調し打線が活性化。西川龍馬もさらに調子を上げ、セ・リーグの打率ランキング2位に名を連ねている。


反対にここまで絶好調だった秋山は調子を落とし、月間打率は1割台。主軸候補であった助っ人陣は苦しんでいる。マクブルームの抹消、デビッドソンも未だ打率2割前後に停滞している。


投手陣では栗林良吏が絶不調。2年連続30セーブの守護神は今季抹消を経験するなど、現在は矢崎拓也にクローザーの座を譲っている状況。ただ、その矢崎が徐々にクローザーに定着しているのが救いだ。


他にも、助っ人左腕のターリー、大卒5年目の島内颯太郎、そして矢崎を中心に僅差のゲームを勝ち切る野球を続けている。先発陣では5月に復帰した森下暢仁、床田宏樹、九里亜蓮が好投を続けている。栗林の不調はチームにとって痛手だが、現時点では他のリリーフ陣でカバーできている状況だ。


しかし、今季はどのポジションでもレギュラー争いが少ない印象だ。もちろん秋山や菊池涼介のような絶対的な存在が健在であれば問題はない。ただ、主力選手の離脱があった場合やチームの将来を考えると少し不安だ。


昨シーズン127試合に出場し、ショートのレギュラーに定着した小園海斗は、今季開幕から絶不調。早々に抹消され、2軍暮らしが続いている。期待の大砲候補の林晃太もファームでは3割近い打率を記録しているものの、一軍のチャンスをものにできていないといった状況だ。


先述したように主力が健在のうちはそこまで問題ないが、やはり下からの突き上げはチームの浮上には必須であろう。疲れも出てくる夏場あたりに活きの良い若手が現れることに期待したい。


今回はセ・リーグ上位3球団の戦力分析を行った。もちろん、4位以下の球団の巻き返しの可能性も十分に考えられる。今後のセ・リーグのAクラス入り争い、優勝争いから目が離せない。


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