井口 基史コラム 「LOVE THIS GAME」 Vol.3
来期への戦いはシーズンエンドを待たない
今年も移籍市場は活況の予感 NBAではプレーイントーナメント。 国内ではB1チャンピオンシップ・B2プレーオフ・B3プレーオフなどシーズンエンドが近づいてきています。ただ来期への戦いはシーズンエンドを待たずに、すでに始まっている模様。少し早いですがレポートします! 次シーズンにむけチーム移籍動向が激しくなるタイミングは主に下記3つがあります。仕事柄いろいろな方からの連絡が増えるのもこの時期になります。
・1月1日(他クラブ交渉可能日)
この日を境に、他クラブへ所属している選手に対して(所属クラブへ通知後)交渉可能期間に入ります。
・新たな帰化選手の出現 過去にもみられたのは、シーズン中に帰化申請が認められ、新たに帰化選手としてプレイできる選手が増えたさいに、動向が激しくなります。今シーズンの目玉は、信州をどっかんどっかん言わせ日本代表にも選ばれた「ジョシュ・ホーキンソン選手」であることは間違いないでしょう。
・チャンピオンシップ進出チームが出揃う(およびレギュラーシーズン終了直後) 残留争いをしている以外のチームは、惜しくもCSを逃し悔しい時期ではありますが、できる事は一つ。CS争いをしているチームより早く来期に向けての準備ができること。
NBA優勝するのはどのチーム?
0%ナゲッツ
0%サンズ
0%ウォリアーズ
0%レイカーズ
高騰する帰化選手の年俸 帰化選手枠とは特別なルールで、ロスターやコートに立つことが守られているスポットともいえますので、一部帰化選手の年俸が高騰しやすい状況があります。年俸が高いということは、チーム予算の多くを費やすことになりますので、帰化選手の動向が決まらない限り、他の選手にどれだけオファーできるかが判明しずらく、優先順位の序列によっては他選手の交渉開始が遅れることがおきえます。 それにより思わぬ影響を受けるのがB2・B3の選手達。B2チームがB1選手獲得の可能性を模索するのは常。 どの選手がB1で契約しないか見定めるまでは、既存選手たちへオファーしにくい状況になることを理解できるかと思います。毎年のようにファン・ブースターがハラハラする、所属先がなかなか決まらない背景には、帰化選手の動向が大きく影響しています。 個人的にはおなじ高額サラリーであれば、現役バリバリとはいわずとも、NBA選手など子供達や世界にインパクトを与えるようなリクルートにチャレンジして欲しいと思いますが、ルールによって国籍選択が高額サラリーの一因になっているのは、これまでも・これからも続く課題だと思っています。
CS進出に必要なのは帰化選手 or アジア枠?
順不同・原稿時点でCSの可能性が高い8チームです。ご了承ください
現在のB1で帰化・アジア枠のいずれも所属しないチームはSR渋谷だけですので、ほぼすべてのチームにいずれかの選手が在籍していることになりますが、チャンピオンシップ進出決定もしくは可能性が高い8チームをみると・・・ ●帰化選手保有チーム 5チーム ●アジア特別枠選手保有チーム 3チーム CSの結果を受けて、各チーム編成が 「帰化選手でいくべきか」
「アジア特別枠選手でいくべきか」
「いずれも、もたざるべきか」
どのように判断するかは興味深く見守りたいです。
世界中のバスケットボールファンが集まるピナクルでNBAの勝敗予想をしよう! 帰化 or アジア枠なしで優勝した宇都宮ブレックス ちなみに昨シーズンのチャンピオン・宇都宮ブレックスの優勝ロスターには帰化・アジア枠いずれの選手もいませんでした。かつワイルドカードからの優勝だったことを考えると、やはり特別だったといえるかもしれません。(ブランドン・ジャワト選手/現在・三河所属はシーズン途中で退団) ひょっとすると帰化 or アジア枠をもたずにチャンピオンになった、最後のチームになるかもしれませんので歴史としてみていきたいですね。
新たなフィリピン人選手の襲来があるか
(PBAの聖地スマート・アラネタ・コロシアム)
オフもカギを握る河村勇輝選手
今シーズン(2022-23シーズン)が、プロとしては初シーズンになる河村選手のオフの動向に目が離せない。BリーグにはB1/B2ともに基本選手年俸「新人選手のみ上限460万円(税抜)」という規定があり、現在はこの上限以下での契約しか認められていない。前回のコラムで書いた通り、特別なシーズンを過ごしている河村選手。上限が解除される来シーズンにオファーがきていない or こないハズがなく、海外挑戦の可能性もゼロではないだけに、ビーコルブースターとしてはオフも眠れない夜が続くか・・・
●前回のコラム:バイウィークにみた日本人選手スコア (americansports.jp)
泣いても笑ってもシーズンはあとわずか。ホーム最終戦という言葉も聞く季節です。
プロバスケは同じロスターを、2年続けてみる事はほとんどありえませんので、今シーズンのマイチームロスターをしっかり見届けましょう!
シビアな試合が続き、ごく一部で心無い声も見かけたりしますが、チーム愛はみんな同じ。ゲームは熱くコート外はクールに。惑わされないようにしたいですね。
ということで、みなさん今回もお付き合いありがとうございました。
みなさんのマイチームがケガなく、グッドシーズンフィニッシュになりますように!また次回もよろしくお願いします!
レポート写真:筆者提供
バスケットボールコメンテーター
井口 基史(イグチ モトフミ)
1979年生まれ/鹿児島県出身
座右の銘
「一緒に日本のバスケを熱くしよう」
鹿児島南高-愛知学泉大-カリフォルニア州立大ベーカーズフィールド校-ベーカーズフィールドカレッジ出身。アメリカ留学後にFIBA国際代理人資格をアジア初の受験取得。国内プロリーグ発足後まもなく資格を返納しチームスタッフへ。富山-滋賀-岩手-大阪でスカウト/通訳/GM/スポンサー営業/球団社長を経験。現在はユース・プロ・日本代表まで熱量高めのバスケットボール中継で解説を務める。
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