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  • ryuji ito

ピストンズ、NBAワースト28連敗でストップ 10月以来の白星




デトロイト・ピストンズは30日、本拠地でトロント・ラプターズに129―127で勝利を飾りました。これはピストンズにとって、とても大きな一勝になりました。ピストンズはリーグワースト記録に並んでいた連敗「28」を今回のラプターズ戦で止めることができ、ファンと選手は長い長い悪夢からやっと解放されました。この試合ではエースのPGケイド・カニングハムがチームトップの30得点、12アシスト、0ターンオーバーとハイパフォーマンスを見せ、チームを勝利に導きました。ほかにもボヤン・ボグダノビッチなど計6人が2桁得点をマークし、10月28日のシカゴ・ブルズ戦以来の白星で今季成績を3勝29敗としました。

 


連敗記録



ピストンズが今回勝利を飾り、NBAファンであれば、だれもが祝福の気持ちになったと思います。それほどまでになったのは、連敗記録にあります。

これまでのNBAでの連敗記録は、15年11月にフィラデルフィア・セブンティシクサーズ(76ers)が記録した、シーズンをまたいでの28連敗が最長となります。

ピストンズは10月以来勝利がなく、直近ボストン・セルティックスでは26連敗というNBA記録更新を防ぐ試合でした。

今季ホーム無敗のセルティックスを相手に、ピストンズは一時21点のリードを奪う意地を見せ、ピストンズが今季20点以上リードしたのは初めてでしたが、第3クォーター中盤からセルティックスの追い上げを許してしまい、終盤に逆転を許しました。ボグダノビッチの同点シュートでピストンズは何とか延長に持ち込んだものの、最後はポルジンギスにやられ、逃げ切られました。その結果、ピストンズはNBA記録に並んでしまう事態となりました。

ただ、これはシーズンを跨いでの記録のため、同一シーズンでの28連敗はリーグのワースト記録となります。これまでは2011年2月のクリーブランド・キャバリアーズと2014年3月の76ersの26連敗が最多でした。

それほど今回の記録は大変不名誉なものであり、経験したくないものではありました。

 



ケイド・カニングハムの覚醒

 


昨季ケガでシーズンのほとんどを休んでいたカニングハムですが、オフシーズンにアメリカA代表の練習相手をしている情報が流れ、その支配力でアメリカのA代表を倒していることから今期のカニングハムには多くの期待が寄せられていました。

ただ、今季序盤のケイド・カニングハムはうまく波に乗れておらず、連敗中の期間についてはフィールドゴール成功率42%、ターンオーバー4.2とエースガードとしての役割を果たせていない状況でした。

その結果、チームとしても波に乗れず、NBA記録を達成するのではないという勢いで敗戦を重ねていきました。

ただ、このNBA記録が近づくにつれ、カニングハムは同一人物とは思えないとんでもないパフォーマンスを記録します。

直近6試合では31.7得点、フィールドゴール成功率57%、3ポイントシュート成功率46%、7.2アシスト、1.7スティールとすさまじいハイパフォーマンスを残しています。

ただ、チームは勝てない状況が続いているという孤軍奮闘のような状態で素晴らしいパフォーマンスを披露していました。

相手チームはカニングハムを止められず、ダブルチームを仕掛けてカニングハムを止めに行きます。そこでカニングハムはパスをさばきますが、周りが打開できず、得点が止まる展開となってしまっていました。

その状況でも30得点以上取るなど、カニングハムはNBAスターへと覚醒の片鱗を見せつけました。

 



ラプターズとの試合

 


迎えたラプターズ戦ですが、幸運にも相手のラプターズは当日に、OG・アヌノビーやプレシャス・アチュワなどのトレードが決まったことで主力選手が不在になりました。何よりもリーグ最高のディフェンダーであるアヌノビー不在によりカニングハムを止めることができる選手一番のプレイヤーがいないことでピストンズには絶好のチャンスがやってきました。

前半のカニングハムは最近では珍しくジャンプシュートが決まらず、フィールドゴールは8本中1本成功の4点と得点では苦しみました。

ただ、カニングハムは自分が得点できないときでも適切にパスをさばき、それに周りが答えるかのようにシュート沈めていきました。しかし、後半になるとラプターズがトランジションを連発し、パスカル・シアカムやデニス・シュルーダーのドライブ、そしてゲーリー・トレントJr.の3ポイントシュートで一気に逆転します。しかし、ピストンズも負けじと得点を重ねます。

そして、後半だけで26得点7アシスト、しかも0ターンオーバーのカニングハムの活躍でラプターズを退き、約2か月ぶりの勝利をつかんだのです。 試合終了とともにコートにしゃがみこんだカニングハムは疲労困憊の様子でまだ若いプレイヤーながらチームを背負って戦っていたのだと思いました。

 


まとめ

 


今回不名誉な記録を打ち立ててしまったピストンズですが、やっとの思いでつかんだ勝利はチームをより団結させるきっかけになるでしょう。

また、カニングハムの覚醒はこれから再建をしていくピストンズにとって、大きなものになると感じました。

まだシーズンが半分以上残っているので、ピストンズの巻き返しに期待です!

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