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日本生命 B.LEAGUE FINALS 2022-23


Bリーグブースターであふれた新横浜

会場周辺はジェッツとキングスのウェアーをまとった人達であふれ、特別な一戦のために、全国から横浜アリーナにブースターが駆けつけている事を体感できました。勝ち抜いてたどり着いたファイナルにむけ、両ブースターの嬉しそうな顔や、テンションあがって応援する姿は、最高なものをみせてもらえました。関係者が教えてくれたのですが、Bリーグ初年度の2016‐17シーズン・ファイナル「栃木ブレックスー川崎ブレイブサンダース」の一番高額シートは、2万5千円だったそう。今回のファイナルの最高価格チケットは、6万6千円ですので、7シーズンでファイナルの価値が大きく変化してきたことが分かります。


■最高価格シート(あくまで井口さん調べ)

2016‐17 2万5千円

2022-23万6千円


NBA優勝するのはどのチーム?

  • 0%ナゲッツ

  • 0%サンズ

  • 0%ウォリアーズ

  • 0%レイカーズ



最多入場者記録達成‼

GAME2でB.LEAGUE 史上最多入場者数となる13,657人を記録。「いくぜてっぺん」の赤。「団結の力」白。キレイに分かれた横浜アリーナの景色は壮観。もうファイナルやCSは、音響不要と思わせる両ブースターの応援のチカラ。

両日1Qで、2つのタイムアウトを使い切った千葉J ジョン・パトリックHCでしたが、見た目以上の勢いを体感させたのは両チームのブースターの迫力だったのかもしれません。


■入場者数

GAME1 11410人

GAME2 13657人

ファイナルは過去やレギュラーシーズンのデータは関係ない?

GAME1はファイナル史上初となる延長戦・ダブルオーバータイムまでもつれる激闘。バスケの魅力を存分に披露してくれた両チームには感謝しかありません。ファイナルに辿り着けなかったチームのファン・ブースターにとっても、グッとくるシーンを何度も見せてくれました。GAME2はダブルオーバータイムでの疲労はもちろん、ケガのリスクも増しまたはずですが、今のところ大きなケガ情報もなく、安心した方も多かったでしょう。


■過去のBリーグ通算対戦成績

千葉J 15

琉球 9勝


■天皇杯決勝

3月12日 千葉J 87ー76 琉球


■今シーズンの対戦成績

4月1日 千葉J 89ー85 琉球

4月2日 千葉J 76ー78 琉球

県民と共に獲ったチャンピオン。キングスに栄冠。

西日本勢では初。関東からタイトルが出るのも初。Bリーグ開幕時には雑草軍団と呼ばれたキングス。過去には東高西低といわれていたリーグ勢力図を、今シーズン大きく変化させたことは一目瞭然。6年連続の地区優勝達成からも、西地区のレベルアップに、キングスが貢献し続けてきたことが分かります。激戦の西地区を経たことによるタフさが、ファイナルのアドバンテージになったのか。西地区ブースターにとっても同地区から優勝チームが出たことは、嬉しい結果だったでしょう。


●日本生命チャンピオンシップ最優秀選手賞(MVP)

アレン・ダーラム選手


●日本生命ファイナル賞

コー・フリッピン選手



いろいろなジンクスが登場 過去やレギュラーシーズンのデータは関係ないとか言いつつ、申し訳ありませんが、レギュラーシーズンの最多勝率との兼ね合いなど、色々なジンクスがすでに語られています。個人的に気なったのは最多平均得点のあるある。

レギュラーシーズンのベストスコアリングチームが、リーグ優勝したことも過去にはありませんでした。

 

■過去のシーズン最多平均得点と優勝チーム

2016‐17 川崎 84.3   優勝・栃木
2017‐18 三河 84.6 優勝・A東京
2018‐19 千葉J 86.0 優勝・A東京
2019‐20 SR渋谷 85.4  コロナ中止
2020‐21 富山 89.2  優勝・千葉J
2021‐22 川崎 88.2 優勝・宇都宮
2022‐23 千葉J 87.9 優勝・琉球
 

ちなみにシーズン最少平均失点を記録したチームだと、宇都宮が2度その年にタイトルをものにしています。

・レギュラーシーズンはともかく、リーグ制覇のためには平均失点を下げる事が近道?

・まだサンプル数が少なく言い切れないか?


ついでに見ると、Bリーグ開幕初年度より最多平均得点がこの2年で約4点ほど増えている事も分かりますね。

外国籍選手のオンザコートルールの変化。3PT多投、ペースの変化などの影響などが見て取れるかもしれません。

千葉ジェッツへも称賛の声

千葉ジェッツへ多くのリスペクトがあったのは言うまでもありません。多くのケガ人を抱えながらのシーズンにも関わらず、恐ろしい記録を打ち立てただけに、ファイナルの怖さを改めて目の当たりにしました。下記の偉業達成をみても、千葉ジェッツのブースターは誇るべきシーズンだったはずです。


・史上最高勝率 53勝7敗

・最多連勝記録更新 24連勝

・天皇杯優勝

・東地区優勝


ファイナルの開催方式の議論

まず現行システムで優勝したキングスへのリスペクトが大前提です。優勝直後の開催方式の議論はキングスブースターに面白くない面もあると思いますが、現地レポートという事でご理解下さい。実際にファイナルで顔を合わせた、選手・コーチたちの意見を聞くと、3戦方式の難しさを指摘する声が多くありました。


興行的な成功や、チケット単価を下げ、多くのブースターが観戦できる可能性があるならば、5戦方式やホーム&アウェイへのシフトも模索するべきなのか。全部見たいブースターも多いだろうから、負担増になってしまうのか・・・

B1のチーム数が増えている中、CS出場チーム枠は増えていない、などもあるので、ポストシーズンのあり方については、変化を受け入れる心の準備も必要な気がします。同時に今シーズン開催の無かった、残留プレーオフなどの議論も、ファン・ブースターから希望する声は少なくないと感じています。バスケットボールキング・入江編集長の取材によると、ファイナル開催中の島田チェアマンの会見への取材で、下記のような検討が行われているようです。



キングスに携わってきた多くの選手・関係者たち

クラブ創成期にご苦労されてきた方々に、自分はお世話になってきました。勇退された、創業者である木村達郎氏には、プロの世界に入った時、営業・ゲームオペレーション・GM業務など様々な仕事を教えて頂きずっと感謝しています。会うたびに声を掛けてくれ、突然連絡をくださる大塚泰造氏も功労者のひとりです。アメリカ留学時代に妹と二人でニュージャージ・ネッツのプレーオフ観戦に行き、まだ当時はネッツ在籍中だった現在のキングスのGM・安永淳一さんと、木村さんに挨拶できたのが17,18年前だとすると、創業メンバーの皆さんが夢を実現されたスピードは凄い。と言ったら失礼なのかな・・・


キングスが生まれた当時の沖縄は、前売りチケットを買う習慣が少なかったそうで、試合当日まで集客がまったく読めず、前売りチケットやシーズンパスの販売に苦労されていました。お金を払ってバスケを見る習慣自体がない時代ですので、来場してからチケット購入が必要と知ったお客様が「バスケで金とるのか‼」と怒鳴られたと、教えてもらったこともあります。いまでは有明コロシアムや横浜アリーナを染めるキングスブースターも、当時はまだ少なく、空席が目立つ試合も多かった事を知る方もいると思います。競技バスケが盛んな沖縄ですので、キングスでプレーした選手も、キングス以外でプレーした選手も、このチームをゼロで通過していった選手はほとんどいないでしょう。


桶谷HCには、震災直後の岩手ビッグブルズの礎を築いて頂く仕事を、一緒にさせていただくチャンスがありました。その時に、小野寺 祥太選手はまだ盛岡南高の3年生で、その後練習生としてチームに来てくれました。森重ACとは同郷で、まだ学生の頃にプロになりたいと、相談に来てくれたことがあります。中村オペレーターもサンアントニオ・スパーズでの活動を終え、国内の仕事にシフトするさい相談に訪ねて来てくれました。

そんな多くの方々が、どのようにこの優勝を味わったのか、機会があれば聞かせてもらいたいです。本当におめでとうございます。もちろん千葉ジェッツにも元チームメイトはいるので、それはまた別の機会に・・・



その他にも今シーズン起きた色々なテーマやトピックについては、次回のシーズンレポートで皆さんと共有したいと思います。またお付き合いのほど宜しくお願い致します!

(写真:筆者提供)

 

■過去コラム




バスケットボールコメンテーター

井口 基史(イグチ モトフミ)

1979年生まれ/鹿児島県出身

座右の銘

「一緒に日本のバスケを熱くしよう」


鹿児島南高-愛知学泉大-カリフォルニア州立大ベーカーズフィールド校-ベーカーズフィールドカレッジ出身。アメリカ留学後にFIBA国際代理人資格をアジア初の受験取得。国内プロリーグ発足後まもなく資格を返納しチームスタッフへ。富山-滋賀-岩手-大阪でスカウト/通訳/GM/スポンサー営業/球団社長を経験。現在はユース・プロ・日本代表までバスケットボール中継で熱量高めの解説を務める。



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